もうひとつのオリンピック 北京パラリンピック

あまり民放では時間が割かれないが、９月６日に北京パラリンピック大会が開幕した。
約4,000人の選手が参加し、６〜17日まで日程で、20競技470を超える種目で
メダルが争われる大会だ。

先日、水泳100mバタフライで野村真波選手が８位入賞を果たした。
http://www.sanspo.com/sports/news/080908/sph0809080010000-n1.htm

彼女は父親にあこがれてバイクに乗り始め、４年前にバイク搭乗中に交通事故に遭い右
腕を切断したという。
ツーリングが大好きだったという父親はその事故以降バイクに乗らなくなり、
彼女が泳いでいる姿すらも一度も見に来たことはないそうだ。

先日、ETVを見ていたら、野村選手の大会前のインタビューが放送されていた。
そのなかで、彼女は自宅前の隅にシートをかぶせたまま置いてある父親のバイクに近づき、
シートの下のほうをちょろっとめくって、
「もう乗ればいいのにね…」と、カメラに向かって父親へと思える言葉を投げかけていた。
そのときの表情はとてもにこやかだった。
父親がもうバイクに乗らなくなってしまった気持ちも、彼女が父親にまた乗って欲しいという気持ちも
（決して全部とは言えないが）わかる気がしたシーンだった。

バイク雑誌は…というか、趣味の雑誌は極力ネガなことを伝えないっていう
暗黙の了解がある。楽しいことを増幅して伝え、つらいことはさらりと流す
風潮だ。それはそれでいいけど、なんとなく読んでいる人を小馬鹿にしている
ように感じるのは自分だけであろうか。少なくとも自分は全部を知ったうえで選択したい。

タグ：パラリンピック バイク